2010年8月27日金曜日

ソーシャルメディアの影でにわかに活気付く新ビジネス「Internet Reputation Manager」


ソーシャルメディア先進国のアメリカでいま活気付いているビジネスの一つに「Internet Reputation Manager」があります。
「Internet Reputation Manager」はその名の通り、有料でインターネット上の評判をマネージメントしてくれるプロフェッショナルです。

サービスプロバイダーによって提供される内容は異なりますが、主に次のようなことをやっているようです。

  • クライアントのプロフィールページを強化、ビジネスに貢献するようにする。
  • クライアントにとってネガティブなコメントや投稿がなされていないかを監視する。
  • クライアントにとって都合の良い情報が検索上位に来るようにし、都合の悪い情報を検索上位に表示させないようにする。
  • オンライン上のデータベースからクライアントの情報を削除する。

費用は、これもサービスプロバイダーによって異なりますが、ある企業では一回に$2,000ドルから$10,000ドル、別の企業では毎月$10から年間$1,000で常時監視を行うといった具合です。

お金をかけてまでインターネット上の評判を管理してもらうくらいだったら、最初から何も記録しなければいいじゃん!と思ったりもしますが、ソーシャルメディアを使い始めたばかりのころは、要領がわからずにいろいろやらかしてしまうもんなんですね。
マイクロソフトが最近発表したところでは、アメリカでは企業の人事担当者のうち78%が候補者をスクリーニングするためにインターネット検索を使い、63%は候補者をリサーチするためにSNSを見ているという調査結果も出ており、インターネット上の情報も馬鹿にできなくなってきているのでしょう。

はたして、日本でもこの手のビジネスが活気付くのでしょうか?

ちなみに私の予想はNoです。
理由として、日本ではそもそも実名を公表する文化ではないこと、さらに、今後はよりソーシャルメディアサイト側でプライバシーのコントロールができるようになると予想されることが挙げられます。

日本でも今後「ソーシャルメディアコンサルタント」みたいな怪しげな肩書きを持った人をみかける機会が多くなることは容易に想像できますが、その多くは淘汰されていくでしょうね。

For a fee, digital dirt can be buried - The Boston Globe
http://www.boston.com/business/technology/articles/2010/08/26/for_a_fee_digital_dirt_can_be_buried/

2010年8月26日木曜日

オンライン英会話「レアジョブ」を始めました!

今までだまっていましたが、わたし、Skypeで英語の勉強を始めました。
今月の初旬から初めて、そろそろ一ヶ月になろうとしているので、このあたりで感想や気づいたことをまとめておこうと思います。
もし、オンライン英会話を検討している方がいらっしゃれば参考にしていただければと思います。

■利用しているサービス

 『英会話ならオンライン英会話のレアジョブ』
  http://www.rarejob.com/
  特徴:
  ・スカイプをつかってフィリピンの
   人と英会話。
  ・1日25分、毎日やっても
   月額5,000円。


そもそも私がこのサービスを知ったのは、わたしの元同僚の女の子がTwitter上で、レアジョブで英会話を始めたことをつぶやいていたことがきっかけでした。また同じ時期に日経MJに「レアジョブ 企業の英語研修用サービスも提供」のような記事が載っていて、これは良いかもと思ったことがオンライン英会話を始めるきっかけでした。

さっそく登録して始めたのですが、今日までにいろいろと気づいた点がありましたので、ここに挙げていきたいと思います。
まずは良いと思った点から。

■良いと思った点

 とにかく安い
  驚きの価格。1日25分、毎日やっても月額
  5,000円。「安くても講師のレベルが低い
  のでは?」という人がいるかもしれませんが
  私の英語レベル自体、優秀な講師を必要と
  するレベルに達していないので、はっきり言
  ってこれで充分です。

 時間の負担が小さい
  レッスンは25分単位。毎日、なんだかわから
  ないけど忙しい私にとっては、コレくらい
  短い単位でレッスンできるのは本当に
  助かります。
  しかも毎日インターネットから好きな時間帯
  (20:00以降)を選べ、変更も何度もできる
  ので、かなり融通がききます。
  キャンセルは1時間前までにすればOK。
  ただし、無断欠席しちゃうとペナルティで
  1ヶ月のうち受講できる回数が減ってしまい
  ます。(例えば8月だったら最大31日レッスン
  を受けられるところが、一回無断欠席をする
  と-1日されて30日とか。

 自分の好きな講師を選べる
  いろんな講師がいます。自分の気に入った
  講師を選んで予約することができます。

 場所を選ばない
  私はiPhoneのSkypeアプリを使って通話し
  ています。パソコンの前にいる必要はありま
  せん。飲みに行った日、帰宅途中にレッスン
  時間になってしまい、電車の駅でレッスンを
  したことも。
  なんというか、便利な時代になりました。

 飲みながらでも受講可能
  緊張もお酒を飲みながらだと少しは和らぐ
  かも。えぇ、私は毎日いっぱい飲んでから
  英会話してます。私にとってはありがたい。

 毎日いろんな人と話せる
  基本的に大学在籍中か、大学を卒業した
  ひとが講師という前提はありますが、様々な
  バックグラウンドを持った人と話すことがで
  きます。勉強としての英会話もいいですが、
  講師と世間話をすることがそれ以上の勉強
  になることもあります。
  毎日、マンツーマンでいろんな人と話す。
  気分はタモさんです。言い過ぎました。

と、コレだけをみればかなり魅力的なサービスだと思います。でも反対に、注意しないといけない点というのもあって、以下にそれを挙げます。

■注意が必要と思った点

 講師のレベルがバラバラ
  ほんとうにバラバラです。訛りが強い人も
  いれば、きれいな英語を話す人もいます。
  先生っぽくしっかりとフィードバックをくれ
  る人もいれば、たまに不自然なくらい
  テンション高い人とかもいます。恐れる
  必要はありませんが、人によっては
  当たり外れを感じるかもしれません。

 通信環境が弱い
  日本を基準に考えてはいけません。回線が
  弱いのか、通話がよく切断されます。これも
  講師によって通信のクオリティがバラバラで
  す。最初はびっくりしましたが今はもう馴れ
  ました。ホントかどうかはわかりませんが、
  停電なんかもあるようです。


上記のような特徴があるオンライン英会話ですが、やっているうちに、こうすればもっと有効に使えるのではないかというアイデアがいろいろと沸いてきたので、それも挙げておきたいと思います。


■レアジョブをフル活用するためのTips

 まずはたくさんの講師と話す
  前述したように、講師のレベルはバラバラ
  です。最初にあたった講師の質でこのサー
  ビスを判断してはいけません。最初のうちは
  とにかくいろんな講師と話してみることを
  オススメします。
  そしてレッスンの後、その講師について自分
  なりにメモを残しておくことが重要です。
  私の場合は、それぞれの講師について、
   -学生か、社会人か
   -専攻は何か、仕事は何か
   -発音はどうか、訛りひどくないか
   -通信の快適さはどうか
   -丁寧にフィードバックしてくれるか
  などを中心にメモしています。このメモが
  後で役に立ちます。
  通信環境が悪く、よく通話が切断される講師
  には二度と予約はいれません。良い講師は
  週に1回くらいリピートするのが、私にとって
  良いペースに思えます。

 Webカメラは必須ではない
  あればいいけどなくても全然困りません。
  私は最初Let's note(7年前に購入)とWeb
  カメラを使ってやっていましたが、Skypeが
  重く、iPhoneの方が快適なので最近は
  ずっとiPhoneでやってます。iPhoneの
  SkypeアプリはWebカメラに対応していま
  せんが、まぁ、困ることはありません。

 自分で会話のネタを用意しておく
  教科書的な英会話も必要かもしれませんが、
  自分の得意な話題でfree conversationする
  のがオススメです。自分の得意な分野なの
  で、会話をするために必要な知識はある
  はずですし、例えばそれが仕事に関連する
  分野なら、自分の知識を整理できるという
  副次的な効果も期待できます。(私もまだ
  そこまではなかなかできていませんが。)

 Twitterで公開する
  レアジョブには、レッスンが始まったと同時
  に、自分がレッスン中であるということを
  自動的にTwitterに投稿する機能があり
  ます。
  私がレッスン中だということなんて誰も気に
  していないと思いますが、これは自分に対
  する宣言にもなって、意外に継続のモチ
  ベーションとなっている気がします。


 仲間?ライバル?を作る
  元同僚の女の子が先ほどの機能でレッスン
  していることをTwitter上でつぶやいている
  のをみるとやっぱりモチベーションが
  上がります。

 オンライン英会話だけじゃだめ、基礎こそ重要
  私の場合、最初の2、3日はとても自分が成長
  している気がしたのですが、しばらくすると
  「うーん、成長してるのかな?」と思う
  ようになりました。そして気づきました。
  明らかに基礎学習不足です。英語の基礎
  を身につけるために英会話をするのは
  ちょっともったいない気がするので、基礎
  はお得意の参考書や単語集などで身に
  つけて、英会話はそれを実践する場にする
  のが理想的に思えます。応用というのは
  基礎ができていればこそ発揮できるもの
  だと思うので。
  ちなみに私はいま、毎日コツコツとボキャ
  ブラリーを増やすようにしています。
  「英語力は単語力だ」って誰かが
  いってた気がします。

いかがでしょう。参考になったでしょうか。
オンライン英会話はレアジョブだけではありません。「アイトーク」とか「スカイトーク」といったところも同様のサービスを展開しています。いずれのサービスも無料でお試しができるので、比べてみるといいかもしれません。(私はレアジョブしか使ったことがないのですが、他も評判は悪くないようです。)

そんなわけで、最近まじめに英語をトレーニングし始めたので温かく見守っておいてください。

2010年8月25日水曜日

電子書籍で進化する読書スタイル

皆さんはもう電子書籍を試しましたか?
電子書籍は日本ではiPadの発売時に特に大きな話題となりました。また、最近ではDNPと凸版が手を結び、電子書店事業展開に向けて業界団体を設立したことがニュースとして取り上げられていました。

今年は特に話題の多い電子書籍ですが、メリットの観点からは、次のようなことが挙げられます。

 ・省スペース
 ・欲しい時に購入できる
 ・物流コストがかからないため安く購入できる
 ・書籍内を検索可能
 ・辞書内蔵
 ・購入した書籍を複数のデバイスで読むことができる
 ・(著者にとって)これまでとは比較にならないくらい出版のハードルが低くなる

このように多くのメリット(の可能性)をもつ電子書籍ですが、最近私がKindleで読書していて改めて感じているのは「ネット接続による新たな読書スタイルの可能性」です。

上記ではネット接続により実現されるメリットとして「欲しい時に購入できる」や「物流コストがかからないため安く購入できる」などを挙げていましたが、個人的にはそれ以上に「情報や感想を共有できる」という点に注目しています。

例えばKindleの場合、OSのバージョンが2.5から「Facebook & Twitter投稿機能」と「ポピュラーハイライト機能」が追加されました。「Facebook & Twitter投稿機能」は読んでいる本から文章を引用してFacebook & Twitterに投稿できる機能、「ポピュラーハイライト機能」は、いま読んでいる本のどの部分に他のKindleユーザがハイライトを入れているか確認できる機能です。

ウェブサイトでは「はてなブックマーク」など、ブックマークをインターネット上で共有するいわゆるソーシャルブックマークと呼ばれるサービスがありますが、「ポピュラーハイライト機能」はこれを書籍上でできるようにしたイメージに近いかもしれません。例えば、話題の引用や最新の引用などが分かれば、自分が読みたい本を探す際の手助けになるでしょうし、著者にとっても読者がコンテンツに対してどのような情報や意見を追加しているのかを知ることができるという点で大きなメリットとなるでしょう。これまでは読者のフィードバックを得ようとすると、アンケートなどで集める必要がありましたが、電子書籍ではその仕組みがすでに提供されているのです。
また、同じ本を読む読者同士がつながることができるという事も非常に興味深いポイントです。これまでは「本は一人で読むもの」でしたが、今後は「本はみんなで読むもの」になるかも知れません。電子書籍は今後の読書スタイルも変える可能性があるでしょう。
(まあそこまでいかなくても、他の人のアンダーラインって単純に参考になりますよね。)



すでに電子書籍をお使いの方にとっては、「いまさら何いってんの?」という感じかも知れませんが、こういうことは使ったことがなければ意外と見えてこないことだと思ったので、ここでメモしておきます。

2010年8月4日水曜日

MBAのカリキュラムにも導入されるTwitter


The Differentiated MBA By opensourceway opensource.com

ビジネスマンに非常に人気の高い認定精度のひとつに「Master of Business Administration」があります。通称「MBA」と呼ばれ、日本語では経営学修士号とも訳されますが、皆さんの中にもMBAの勉強をされた経験をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。

高い人気の理由のひとつとして、MBAは知識の習得ではなく実践的なスキルアップを目的としている点が挙げられます。マーケティング、ファイナンス、人的資源管理など経営実務に必要な専門知識とビジネスリーダーとして活躍できる論理的思考力などのスキルを身につけられるという点が広くビジネスパーソンに支持されているのです。

本当にビジネスの現場で役に立つスキルを身につけることを目的としているMBAですが、最近MBAのカリキュラムにTwitterやFacebook等のソーシャルメディアが追加されるケースが急増しています。ここ一年だけでも、Harvard Business SchoolやColumbia Business Schoolといった有名なビジネススクールを含む少なくとも6つの学校でMBAのカリキュラムにソーシャルメディアが導入されています。

この背景には、ソーシャルメディアを非常に重要な位置付けとして捉える企業の姿があります。PanasonicやCitigroup、AT&Tなどの企業はFacebookやTwitterを活用し顧客との関係構築に力を入れていますが、これらの企業の間にはすでに専門のソーシャルメディアディレクターを雇用する動きが出ており、キャロル大学で情報システム学准教授を務めるGallaugher氏も「ソーシャルメディアに関するスキルは非常に希少価値が高い。そして今、企業はそのようなスキルを持った人材を求めている」と述べています。

もちろん、MBAで身につけるのはソーシャルメディアに関する基本的な知識だけではありません。例えば、ソーシャルメディアを通して以下のような課題にどのような方向性を示せるかるかなどがテーマの一つとなります。

 -企業として、どのように公式ページを構築すればよいか。
 -ソーシャルメディアを使ってどのように顧客のエンゲージメントを向上させるか
 -ブランドに関して消費者はどのようにとらえているか
 -新たなビジネス機会をどのように発見するか
 -カスタマーサポートをどのように改善できるか

中には、実際の企業と協働でプロジェクトを進め、経験を通して実践的なスキルを身につけることができるカリキュラムもあるようです。こうしてソーシャルメディアでリーダーシップを発揮できる人材を育てているのです。
これからは、ビジネスマンの必須スキルに「ソーシャルメディア」が加わりそうですね。
Source:
B-Schools All A-Twitter Over Social Media
http://www.businessweek.com/bschools/content/jul2010/bs20100726_143420.htm


P.S.
と、ここまでは、海外のの話ですが、この流れはいずれ日本でも起こるでしょう。
ただし日本の場合、企業が直接ソーシャルメディアディレクターを雇用するまでにはもう少し時間がかかりそうな気がしています。
日本では来年から再来年にかけて、企業のソーシャルメディアディレクターをアウトソースする「ソーシャルメディアエージェンシー」のようなビジネスがちょっとしたブームとなると私は予想しています。これはブランドのキャンペーンを扱う代理店というよりは、むしろPRエージェンシーに近いかもしれません。そこにメンバーシップの事務局の様な側面が加わるイメージです。何言ってるかわかりませんよね(笑)

まぁとにかく新しいビジネスの香りがする今日この頃なのです。