2010年7月29日木曜日

Twitter最高齢ユーザー Ivyおばあちゃんが死去

イギリス時間の7/28未明、Twitter最高齢ユーザーとして有名だったIvy Beanさんがお亡くなりになりました。享年104歳でした。

Ivyおばあちゃんは今から一年以上前の2009年5月13日(当時103歳)にTwitter参加しました。つぶやきは、今日食べたもの、お出かけしたこと、ゲストがうちに来た話など、本当に日常の些細なことばかりだったのですが、一つ一つのつぶやきがなんだか幸せそうで、私もファンの一人としてフォローをしていました。

ちなみに彼女のTwitterのアカウントは「ivybean104」です。アカウント名に年齢を入れちゃってるので、みんなから「105歳になったらどうするの?」と聞かれて、彼女は「そのときはivybean105を使う」と答えていたのですが、もしかすると自分の死期を知っていたのかもしれませんね。

スタッフのPatが彼女のアカウントで次のようにtweetしていることからも、スタッフと56,000人を超えるTwitterユーザーに見守られて、とても安らかな最後だったようです。



温かいつぶやきをたくさんありがとうございました。
心からご冥福をお祈りいたします。



Other source:
Ivy Bean: World's Oldest Twitter User Dies
http://newsfeed.time.com/2010/07/28/ivy-bean-worlds-oldest-twitter-user-dies/

2010年7月27日火曜日

ソーシャルメディアがオークションに再び挑む日

皆さんの中には、以前に「わぁでぃ」や「じゃマール」という雑誌があったのを覚えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。これらの雑誌は個人広告情報誌と呼ばれ、いわゆる個人の「売ります・買います」や「仲間募集」などの情報が掲載された有料の雑誌で、90年代中盤から後半にかけてちょっとしたブームとなりました。

ところがこれらの雑誌は90年代後半に軒並み姿を消すことになります。原因はインターネットの普及でした。インターネットが一般に普及するにつれ、それまで個人広告情報誌に掲載されていたような情報はインターネットでやり取りされるようになったのです。特にインターネット上のオークションサイトの存在は大きく、個人間売買の市場はインターネットに大きくシフトしていきました。

ここ最近インターネット界隈ではソーシャルメディアがブームですが、歴史を振り返ると、私は前述の個人広告情報誌も立派なソーシャルメディアだったなぁと思うのです。
そこでふと考えたのが、個人間売買に関してはオークションサイトよりむしろ、ソーシャルメディアサイトの方が適しているのではないかということです。

そんなわけで、米国の事例を少し調べてみたところ、「Kelley Blue Book」の事例を見つけました。
Kelley Blue Bookはもともと中古自動車の売買情報をローカル誌として提供している会社です。そのKelley Blue Bookがソーシャルメディアサイト向けに販促キットを提供しているのです。このツールキット、なかなか面白くて、自分が売りたい車の情報を登録するとFacebookやTwitterで共有するためのページとリンクを作ってくれたり(SNS上に表示するための看板を作ってくれるイメージです)、車体に貼り付ける用の広告をプリントアウトすることができます。ちなみに車体貼付用の広告にはバーコードが印刷されており、それを携帯で読み取って、サイトにアクセスすると車のスペック情報などが見れる仕組みです。さらにiPhone用のアプリも提供されています。



Kelley Blue Bookによると、ソーシャルメディアサイト上で中古車が売りに出された数は2008年には130万台(そのうち79万台で売買成立)、2009年にはそれが190万台(うち130万台で売買成立)に増加、今年は取引が200万台を超える可能性も考えられます。

取引量が増えている要因として、ソーシャルメディアサイト自体の利用者が増加していることが考えられますが、別の要因として、ソーシャルメディア上の取引は「相手が見える安心感」があるということが挙げられるのではないでしょうか。これは既存のオークションサイトには無い特徴だと言えます。このような特徴がうまく活用されればソーシャルメディアサイトがオークションサイトの競合になる可能性も十分考えられます。(ただし、日本ではまだほとんどが匿名でのソーシャルメディア利用で、それがこの流れの足かせになる可能性はあります。)

また今後はオークションに限らず、ソーシャルメディアというプラットフォームを利用して、個人と個人、個人と企業の取引の仲介を行うようなビジネスモデルが増えることは間違いないでしょう。

source:
Seller's Toolkit - Kelley Blue Book
http://www.kbb.com/sellers-toolkit/

2010年7月24日土曜日

ソーシャルメディアモニタリングツールを評価する際の5つのポイント

イギリスの調査会社のFreshMinds Researchが主要なソーシャルメディアモニタリングツールの比較に関する白書を発表しました。

白書では、ソーシャルメディアモニタリングツールの評価項目として以下の5つを挙げています。

 1.カバレッジ
  カバーするメディアの種類、地域などそのデータがどこから収集されているか。
  ツールによってカバーする範囲は大きく異なる。

 2.センチメント分析(感情分析)
  ツールによる完璧なセンチメント分析は存在しない。センチメント分析機能の
  は大変有用だが大切なのはツールの限界を理解して使用することだ。
  分析の正確性もツールによっては、アグリゲートレベルで59%から87%と大きく
  異なる。これが個々の投稿レベルになると正確性はもっと低くなり、平均で
  全投稿のうち30%程度しかポジティブ/ネガティブを判別できていない。

 3.会話の地域特定
  その会話(投稿)がどの地域行われているかをどのように特定しているか。
  ツールによって地域特定の方法も異なる。

 4.会話のボリューム
  なにを投稿とみなすのか。リツイート、スパム、広告などの処理の方法はツールに
  よって異なる。良いリサーチャーなら知っているように、必ずしも
  サンプルサイズが大きければ大きいほど良いということではない。また重複を
  どのように処理するかはすべてのツールにとって重要な課題である。

 5.データの即時性
  会話がツールに収集されるスピードはクローラーの巡回頻度やツールがデータを
  処理するのに要する時間に制限される。これはツールのアラート機能としての
  有用性を左右する。

白書ではこれらの項目で主要なソーシャルメディアモニタリングツールを評価し、ポジショニングを行っていますのでご興味のある方はご覧ください。

 A comparison of Social Media Monitoring Tools
 http://shared.freshminds.co.uk/smm10/whitepaper.pdf

ただし、上記はあくまでツールを評価する際のポイントであって、サービスの導入を検討する際のポイントでは無いことを意識しましょう。ツールはあくまでツールであって、実際には導入やトレーニングをサポートする体制や分析の結果に対する洞察力やコンサルティングサービスの方が重要であることの方が多いでしょう(そういった意味では先日当ブログでも取り上げた「The Forrester Wave™: Listening Platforms, Q3 2010」がより参考になるかもしれません)。

FreshMindsは白書の最後で次のように述べています。
In our opinion, to get real value from any social media monitoring tool ongoing human refinement and interpretation is essential. Buzz tracking opens up opportunities for insight, but it is worthless without sufficient people resource and internal processes to act on salient information.
ソーシャルメディアモニタリングツール導入の際は、上記で挙げたような評価項目でツールの仕様を理解しつつ、最終的にはそれを利用する側の体制、サポートする側の体制も重視してサービスを選定することが重要だと言えるでしょう。

2010年7月21日水曜日

企業のソーシャルメディア活用4レベルとソーシャルリスニング

最近、「バズ分析ツールをどのように活用すればいいか」という相談を受けることが多くなりました。
しかし、この質問に答えるにはまず「企業として、ソーシャルメディアをどのように活用するか」が明確になっている必要があります。

実際、ソーシャルメディアの活用の範囲は広く、人と話す際にお互いイメージしているものが異なるケースもあり、何かモノサシとなるものがないかと考えていました。ふと、企業のソーシャルメディアの活用レベルに対応させてバズ分析の内容を分類するとわかりやすいかもしれないと思い、自分の頭の中を整理する意味で以下の表を作成してみました。



最近はTwitterを利用したキャンペーンを良く見かけますが、こうして分類すると現在の国内の事例は「Level1. 消費者の声に耳を傾ける」を跳ばして「Level2. 情報を発信する」に集中していることがわかります。現在「Level2」のみを実施している企業が「Level1」や「Level3」にソーシャルメディアの活用の範囲を広げるようになって初めてバズ分析ツールが重要視されるのだと思います。そして今後そのような企業が増えることは間違いないでしょう。

上図につきまして、ご意見等がございましたらぜひお聞かせください。

(ちなみに上図には「ソーシャルリスニングは、全てのレベルで必要」というメッセージも含まれています)

2010年7月20日火曜日

ビデオ版Google Analytics登場?!

オンラインビデオサービスのtubemoguleが高機能なオンラインビデオ解析ツールを無償で提供し始めたようです。
各種メディアでも取り上げられ、TechCrunchでは「ビデオ版Google Analytics」として紹介されています。

ブライトコーブや主要動画共有サイトやSNSサイトに対応していて、さらに独自のプレイヤーにも対応可能というこのサービス。
私も週末に試してみたいと思います(とりあえず、テストのためセットアップしてみましたが、最初はデータが入ってくるまでに少し時間がかかるようです)。

レポートメニューをみると「Engagement(Audience drop)」や「Attention Span」まであって、もし簡単にしかも無料でこのようなレポートが使えてしまうのであれば、既存の有料ツールの存在意義が問われることになりそうです。

TubeMogul Makes InPlay, Its Google Analytics For Video, Free
http://techcrunch.com/2010/07/14/tubemogul-analytics-video/

TubeMogul InPlay Analytics Overview
http://www.tubemogul.com/about/inplayoverview

英語で授業する大学が増加

たまにはインターネット以外のトピックも。

以前から日本の英語教育は、実際には使い物にならないと批判されてきました。
このような状況を何とか是正するために今、教育の現場では英語を使った授業を取り入れる学校が多くなっているとの事です。
少し古い統計になりますが2008年度には190あまりの大学が英語学習以外の科目で英語を使って授業を実施していることがわかりました。

Source:
 ・More colleges offer courses taught in English

これから国内のあらゆるビジネスで海外進出するケースが増えることは間違いありません。
その際に、日本人にとって英語が障壁になるケースが多く、国際競争力をつけるためには本当に使える英語を身につけることが急務となっています。そのような観点からも上記のような取り組みは推奨され、今後特別なことではなくなるでしょう。

これは学校だけではなく企業でも同様のことが言えます。最近は楽天が社内の公用語を英語にすることで話題になりましたが、これくらいしないと使える英語は身につかないものなのかも知れません。私の勤務している企業はいわゆる外資系ですが、実際社内はめちゃくちゃドメスティックで、最近になって英語を使う頻度が増えてきていてとてもあせっています。勉強しないと。

2010年7月19日月曜日

GoogleがAndroidで絶好調 - モバイル検索が半年で300%の伸び

Googleが先週の木曜日に電話会議で実施した2010年第2四半期の収支報告では、Android事業が非常に好調な様子が明らかになりました。

 ・Androidデバイスにおいては、もっとも人気が高いアプリはWebブラウザーで、
  第一に検索が利用されている。
 ・Android上での検索は2010年前期だけで300%の成長を見せている。
 ・(具体的な数値は発表されていないが)モバイル検索は、デスクトップ検索の
  成長を妨げることなく、同様に成長している。
 ・一日160,000台のAndroidデバイスが新たに契約されている。
 ・The Android Marketも同様に成長している。現在、70,000種類のアプリが
  公開されており、これは今年4月に報告された30,000より大きく伸びている。

これまでiPhoneの独壇場だったスマートフォン市場にGoogleが着実に切り込んできていますね。今後しばらくはAndroid vs iPhoneの構図が続きそうです。

Source:
 ・Google Inc. Q2 2010 Earnings Call Transcript

2010年7月18日日曜日

Twitterの新たな広告メニューはGrouponキラーとなるか?

Twitterが新たな広告モデルの検討を進めています。
「Earlybird Offers」と呼ばれるこのサービスは、今アメリカで大変な勢いで成長しているGrouponに代表される「クーポン共同購入サービス」で実現していることをTwitterの広告メニューとして提供しようというものです。

仕組みとしては、Twitterは広告主から募集したスペシャルオファーを「@earlybird」アカウントのつぶやきとして発信します。Twitter利用者は「@earlybird」をフォローすることでそのスペシャルオファーをリアルタイムに知ることができ、興味があれば購入することが可能です。
この取り組みはまだ試験運用段階でまだ米国でしかサービスが提供されていませんが、うまくいけば提供地域を拡大していくようです。



ちなみに@earlybirdの最初のスペシャルオファーは、ディズニーの最新作The Sorcerer's Apprentice(邦題: 魔法使いの弟子)映画のチケットが2枚が1枚分の価格で買えるというものでした。



アメリカではGrouponが利用者数ならびに売り上げを大きく伸ばし、日本でも以下のようなGroupon類似サイトが雨後の竹の子のように登場してきていますが、Twitterが提供するこの広告メニューがこれらのサイトにとって大きな脅威になる可能性も考えられます。これから数ヶ月の動きに目が離せないですね。

国内のGroupon類似サイト(順不同):
 ・iCoupons.jp (http://icoupons.jp/)
 ・KAUPON (http://kaupon.jp/)
 ・Piku (http://www.piku.jp/)
 ・Pomparade (http://pomparade.jp/)
 ・Q:pod (http://qpod.jp/)
 ・Qpon (http://qpon.jp/)
 ・ミナワリ (http://www.minawari.jp/)
 ・みんクー (http://mincou.jp/)

Source:
 ・Twitter Help Center
 ・Earlybird Offers (earlybird) on Twitter

2010年7月17日土曜日

ソーシャルリスニング分野においてはConverseon、Nielsen、Radian6が業界の牽引役 - Forrester Researchがレポート

独立系調査会社のForrester Rsearchは7月12日に発表した「The Forrester Wave™: Listening Platforms, Q3 2010」において、ソーシャルリスニング分野においてはConverseon、Nielsen、Radian6が業界の牽引役であるとの見解を示しました。



しかしこのレポートみると、ソーシャルリスニングというものが、すでにツールの話ではなくなっているということが良くわかりますね。

Source:
 ・The Forrester Wave™: Listening Platforms, Q3 2010
 ・BuzzMetrics Named a Leader in Independent Research Report On Listening Platform Companies

2010年7月16日金曜日

映画化されたFacebook「The Social Network」の予告編フルバージョンが公開

日本では今日あたりからスタジオジブリの「借りぐらしのアリエッティ」がバズり始めていますが、ソーシャルメディア界ではアーロン・ソーキン脚本、デビッド・フィンチャー監督の「The Social Network」の予告編のフルバージョンが公開されて話題になっています。



私も早速見ましたが、最初にイメージしていたものよりも面白そうで、かなり本編を観たくなりました。
米国では10月公開のこの映画、ぜひ日本でも同時公開してほしいものです。

ところで、もし日本で同時公開されるとしたら、それに合わせてFacebookそのものに対しても大きなプロモーションが実行されるはずです。映画の内容次第では、日本での利用者の拡大に寄与するかもしれませんね。

予告編は2分少々の映像ですのでぜひご覧ください。

2010年7月15日木曜日

採用活動でもソーシャルメディアの利用が活発に(海外調査データ)

何かと話題のソーシャルメディアですが、海外では企業利用の一つの形態として人材採用活動にソーシャルメディアを利用する流れがあるようです。
ソーシャルメディア上でリクルーティングプラットフォームを提供する「Jobvite」が人事担当者に対して実施した調査では、企業が人材の採用活動にソーシャルメディアの活用の進めている様子が浮かび上がってきました。

networks for social recruiting

 調査対象企業の
  -83%が今年ソーシャルネットワークを利用して採用を行う予定。
  -46%がソーシャルメディアを活用した採用活動により投資をする予定。
  -36%が求職募集サイトへの投資を減らす予定。
  -80%がソーシャルプロファイルを見ると回答。

景気回復の兆しが見え始め、企業が新たな人材を採用する機会も徐々に増えつつありますが、採用活動にはこれまで以上に費用対効果の高い採用チャネルが求められているようです。

海外では人材採用活動にソーシャルメディアが活用される流れが見えてきましたが、日本ではまだソーシャルメディアを採用活動に利用することが難しそうに思えます。その理由としては、

 ・現状、日本では実名を使ってソーシャルメディアを活用する文化が定着していない。
 ・現状、日本にはLinkedInに変わるサービスが存在しない(あっても浸透していない)。

ということが挙げられます。逆に上記の状況が変われば日本でもソーシャルリクルーティングが活発になる可能性が高いと言えるでしょう。
ソーシャルメディアによって個人と企業がより直接的につながる事ができるようになりつつありますが、日本の就職/転職系サイトはこの動きをどう捉えているでしょうか。今後の動きに注目したいと思います。

Source:2010 Social Recruiting Survey (http://recruiting.jobvite.com/resources/social-recruiting-survey.php)