2011年8月3日水曜日

大人層へのマーケティングがニンテンドー3DSの寿命を縮める?

私が会社の打上げで「ニンテンドー3DS」を当てたその翌日、奇しくも「ニンテンドー3DS」の値下げが発表されました。

この値下げは業界に大きな波紋を呼びました。なぜなら発売から半年足らずでの大幅な値下げとなったからです。

ニンテンドー3DS

これについて任天堂の岩田社長は「値下げを決断できた理由は、ゲームキューブの教訓」とし、ゲームメーカーからは好意的な反応があったと語ったそうですが、私は個人的には、ニンテンドー3DSの将来はなかなか厳しいと思っています。

いくつか理由はあるのですが、私が特に触れておきたい理由が、スマートフォンの隆盛です。

私自身、(会社の打上げで当たった)ニンテンドー3DSを触って感じたのが、

下手な3DSのゲームよりも、スマートフォン対応のアプリのほうがよっぽど面白くて、しかも安い

ということです。

スマートフォンがニンテンドー3DSのユーザーを奪っているのではないかという意見について任天堂は

「これまでと同じように、因果となるものは確認されなかった」

としていますが、ほんとうにそうでしょうか?

都市部に住んでいる人なら、1年くらい前まで通勤電車であれほど見かけたDSユーザーの姿が、最近明らかに少なくなっていることに気付いているのではないでしょうか。そしてその通勤電車の中で、スマートフォンユーザーが明らかに多くなっていることに気付いているのではないでしょうか。

特にニンテンドーDSシリーズは、これまで子供向けと考えられてきたゲーム機の市場を大人にまで広げたマーケティングの成功例として語られてきました。

DS・PSPの年齢別所有数(2011年3月末時点 株式会社メディアクリエイト調べ)
DS・PSPの年齢別所有数(2011年3月末時点 株式会社メディアクリエイト調べ)
※年齢構成比(累積)に販売台数を掛けたもの

しかし今、その大人層、特にサラリーマン層を中心にスマートフォンへの移行が加速しています。
スマートフォンにはゲームを含めバラエティに富んだアプリが豊富にそろっています。ニンテンドーDSシリーズで大人層に人気が高かったような学習系アプリも選ぶのに困るほど充実しています。

つまり、「大人層に強いニンテンドーDS」の十八番をスマートフォンが奪っている格好になっていると考えられるのです。

ニンテンドー3DSが市場で再び輝きを取り戻すためには乗り越えないといけない大きな壁がいくつもあるように思えるのですが、個人的には今後任天堂さんがどのような必殺技を見せてくれるのか期待したいところでもあります。

参考記事:「値下げを決断できた理由は、ゲームキューブの教訓」 3DSハードは逆ざやで赤字に